十四章 捕らえた男

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   食事を取り終えて宿へ戻れば、もうとっぷりと日が暮れていた。眠たげな様子のベインであったが、今日はせねばならぬことがある。 「ベイン、寝る前に剣の手入れをしろ。錆びついちまう」 「あっ」  小鬼を切った剣には血がついている。鞘に仕舞う前に布で拭ってはいたが、魔武器ではないただの鉄の剣は、手入れを怠ればすぐに錆び付き鞘から抜くこともできなくなってしまう。 「手入れの仕方は俺が教えてやる。斧も剣も結局は金属だ。基本は変わらんだろ」  レイガンは、武器と一緒に購入していた簡易的な手入れ道具を取り出したベインを招き寄せ、向き合って手入れを始めたのだった。 .
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