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ギルド内にできた冒険者の集まりは徐々に人数を増やし、規模が大きくなりつつあった。リューティスが近づくと人ごみが割れ、中心へと招き入れられる。
冒険者たちを見回すと話し合っていた彼らは口をつぐみ、こちらに意識が向けられたのを感じた。
「──今回、指揮を任されましたリュースです。よろしくお願いいたします。パーティーメンバーであるレイガンさんが僕の補佐につきます」
「レイガンだ。よろしく」
異論の声は上がらない。ならば手早く作戦を組み立てようと口を開く。
「僕は主に補助魔法による援護を行うつもりです。直接的な手出しは不測の事態が起こらない限りしません」
冒険者たちは顔を見合わせた。一人の女性が発言をする。
「一体なぜだい? 君が戦った方が効率がいい」
「上級魔物の襲撃に備えてです。……ご存知かと思いますが、魔物の群れが発生した森には上級魔物が生息しております。僕の主な役目は上級魔物の接近を感知した場合、すぐに村の方々へ避難指示を出すこととギルドへの連絡を行うことです」
リューティスが行くべきだとレイガンが判断したのも、この辺りが関係しているのだろう。魔物の群れを探った時、その近くに上級魔物の魔力があった。近くといっても数キロメートルは離れており、刺激を与えない限りは近づいてこないだろうが。
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