二十三章 越境

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  「これでいいか?」 「うん」  異論のないリューティスは首肯する。他の依頼も見てみるが、首都までの護衛依頼はこれ一件のみである。その他、薬草採集依頼や魔物の素材採集依頼を剥がし、護衛の依頼書と共に受付へ出した。 「ギルドカードのご提示をお願い致します」  受付嬢に促されて“ボックス”から取り出したギルドカードを手渡す。レイガンのギルドカードに目を落として僅かに目を見開いた受付嬢は、リューティスのギルドカードを見て硬直した。  しかし、中規模ギルドとはいえ、ギルドの職員である。彼女はすぐに我に返り、何事もなかったかのように手続きを進めた。 「こちらの依頼は、十人以上の協同依頼となっております。明日、日の出前に西門の脇の木下へ向かってください。隊商の方と冒険者が集まるそうです」 「わかった。ありがとう」  レイガンは手続きを終えた依頼書と自身のギルドカードを受け取り、リューティスも返されたギルドカードを“ボックス”の中に仕舞った。 「一日暇になったな」 「そうだね。……どうしようか」 「あー」  レイガンは暫しの間思考を巡らせている様子だったが、おもむろに口を開いた。 「とりあえず念のために携帯食何食か買っておくとして、……あとはやることねぇな。どっか行きてぇとこはあっか?」  行きたいところ、といわれると一つだけある。 .
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