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助かった。
この紙切れを渡されていなければ、教師にいじられて赤っ恥をかくはめになる。
ムカつく。アイツが。
誰しも嫌いな教師だっている。
紙に書かれた文字を読み上げる。
それだけで教師はあっさりと俺から視線を外し、またわかりづらい文字を黒板に書き始めた。
黒板の文字をノートに写すのにも飽きてきて、さっき渡された紙に文字を記す。
何だかんだでこのやりとりを毎時間のようにしているような気がしなくもない。
ノートを書くのにも飽きて、外の景色を満喫したあたりで、紙切れに互いに気持ちを載せて、机の上を行き来させる。
この席は自分でもかなり気に入ってるのかもしれない。
景色を見る以外にも楽しみが増えただけなのに、気だるい学校にも色が付いてる気がする。
気がする。
゛授業聞かなくて平気なのかよ。
何度目のこの質問だろうか。
教師の目が離れたあたりで紙を渡らせる。もうすっかり慣れてしまったものだ。
紙切れがかえってきた。
素っ気ない。ムダがない整った字は、送り主のことをよく表している気がする。
゛何回発表の時に助けてあげたのかな?
こいつには絶対に頭が上がらないのだろうな。
゛昼。また弁当たべようよ。
時間はゆるゆると過ぎていく。
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