第4章

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 気づかぬうちに、うとうとしたようだ。 目を上げると、涼も盤につっぷすようにして眠っている。  いや……おかしい。巫女らも、それぞれ本の山にもたれたり、床に伏したりして眠っている。  有坂は一瞬、ぎくりとした。  また自分がヘンな事を考えてしまい、館の者すべてが眠りの森の美女さながらの状況になってしまっていたのならどうしよう。  が、そうでないということはすぐ判った。 眠る涼の傍らに、純白の神官姿の男が立っている。  若い男だ。 彼とそう年が違なわない風に見える。
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