第1章

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 『阿』、とは、葛葉神道家に務める巫女百人の中の一人だ。 彼女らは、阿、から順番に、以、宇、江、と五十音で名前を割り振られているらしい。モブ扱いも甚だしいが、彼女らに不満はないようだ。  巫女百人で、五十音表記なら、最後の『ん』(どのような漢字をあてているのかもはや想像もつかないが、さぞかし呼びにくい事だろう)以降の五十人は何と呼ばれているのか。  有坂はこれについても、あえて考えることをやめている。おそらくはアレとかソレ扱いなのではないかと、思わないこともない。
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