そして俺はビッチになった

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 あの人、別に格好良い訳じゃないんだけど、なんとなくエロい、とか。  別に良い匂いじゃないのに、嗅いでるとエッチな気分になる、とかは大体は生物の本能が刺激されて起こっている事だと思う。  それを人はフェロモンと呼び、そのフェロモンを多く出す人が大抵はモテる。  俺も多分、蓮のフェロモンに酔っているんだろう。  だが、最近、俺史上あり得ない事が起こり始めた。  蓮以外の男も、エロく見えて堪らない、いや、正直に言おう。  蓮じゃなくても良いからチンコが欲しいのだ。  ついこの間までは浮気願望なんて無かったし、蓮とのセックスで全然満足、いやそれ以上だった。  ――なのに。  今ではサークルで運動をしている男臭さを嗅げば、そいつらに集団レイプされたいなんて考えちゃったり、よくある男同士のおふさげでさえも、見れば尻穴が疼く。  欲求不満って訳ではなくて、ちゃんと蓮とも激しく、以前より濃厚な性交もしていたりする訳で。  理由なんてのは解らず、ホトホトと俺は街を歩いていた。 「…………浮気なんて、最低だろ、俺」  まだしてはいないけれど。やってる事は同じだ。  しかも。それだけじゃなかった。  以前から俺はモテなかった訳ではない。でも、ちょっと前から異様になった。  例えばこの間なんかは、茶髪でチャラチャラした女遊びの激しそうなイケメンに「なあ、俺のチンポで狂いたくない?」って声を掛けられた。  これはモテるとかの概念を越えて最早痴漢だと思う。
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