そして物語は始まった

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  「俺、木村の事好きなんだよね」 「…………は?」  そう言ってくれるのは、以前から仲の良かった伏見智弘。  彼曰く「スレンダーなマッチョ」になりたいみたいで、日々筋トレに励んでいる。  なんだか面白い奴だなあ、と思って一年の頃に俺が話し掛けたのがきっかけ。  元々涼しい顔立ちをしてるので、いざ話すと意外にノリも良く、気が合っていた。  そう思っていた矢先、これだ。 「おい、智弘。俺、付き合ってる奴いるって言ってなかったっけ」 「言ってた。でも関係ないね」  いや、あるだろ。寧ろ関係しかないだろ。 「要は、裕也が俺の事しか考えられなくなればいいんだろ
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