蛍の夜

4/16
前へ
/142ページ
次へ
 R・RPGとは、ゲーム機やカードを用いない、いわばこの現実世界を舞台としたロールプレイングゲームだ。  ライブRPGとも言うらしい。  コンピューターゲームで言う『使用キャラ』に現実世界の人間がなり、現実世界をゲーム盤として使う。  脱出ゲームとか、サバイバルゲームとか、そういうものが多いらしい。  俺は、ゲームとか、そういうのの世界が好きなんだけど、手先が不器用なせいでゲーム自体はメチャクチャ下手だ。  でもR・RPGなら、自分がキャラになってゲーム盤と定められた現実世界の中を動き回るから、手先の不器用さは関係ない。  だから俺は、R・RPGが好きだ。  でも、マイナーなせいなのか、大規模なR・RPGが開催されることは、あまりない。  だから俺は、高校のダチが持ってきたホラーR・RPG『蛍の夜』の話に、1、2もなく飛びついた。  その恐ろしさを、知らないままに。
/142ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加