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「これから結構人来るんだけど、どれくらい車で来るかわからなくって。多分夜中……朝までお酒入りそうだから、きっと車では来ないとは思ってるんだけどね?駐車場がちょっとめんどくさいでしょ?」
一生懸命話すともさんは凄く可愛い。
エプロンして腕時計をちらっと見ると僕たちをソファに座らせた。
「と、とりあえず!座ってて?もう少しで主人と子供たちが帰ってくると思うんだけど……」
……ってことは、やっぱりさっきの人は旦那さんじゃないんだ。
「お嬢様、」
「優斗。それはやめて。今日は“長谷部”じゃなくて優斗でいてもらうわよ!」
「……しかし、」
「せっかくみんなが集まるんだもの、お願いよ?」
「……だからこそ、俺はいつも通りでいいと思うんだけど?」
「そ、そうだけど!」
ともさんはいそいそと動き回りながら、後ろの男の人に何か言ってて。
「あっ!優斗!」
「わかっております、とも様」
「その呼び方もなんかくすぐったいのよね……」
肩をすくめながら部屋を出て行ったすぐ後に優斗と呼ばれた人が紅茶を出してくれた。
……あ、やっぱりこの人、執事だったんだ
僕たちはやっと開いた口を一度閉じて、出された紅茶を飲んだ。
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