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部屋にチャイムが鳴り響いて、執事さんがそっと部屋を出て行った。
奥から小走りで出てきたともさんは、料理を大きなテーブルに置く。
あ、おいしそう。
「ママ―っ!!ただいまー!!」
「おかえりなさい」
一気に母親の顔になったともさんは目を細めて、走って入ってきた女の子を抱きとめた。
「ただいま……あっ、Polarisだ」
後ろから入ってきた男の子が僕らを見てぽつりと漏らした。
「ほら、ママのお友達にご挨拶して」
「……翼、小学5年です。はじめまして」
「夢です。小学校2年生です!」
そして後から入ってきた人は、僕らに視線を向ける。
うわっ、すげークール!!
また背筋が伸びた。
ともさんがその人を引っ張って隣に立たせると。
「主人の蒼です」
「は、はじめまして!!僕たちバンドやってて……」
「あぁ。ともから話は聞いている」
蒼さんはそう言って、どさっ、ローテーブルに持ってたビニール袋を乗せて大量のお酒を見せるようにすると。
「朝までコースだが……ちゃんとついてこいよ?」
にやりと笑った。
……ぽっ、
うわ、かっこいい!
僕思わず赤面。
「くくくっ、そう緊張するな。単なる大人の飲み会だ」
また荷物を持って奥に行ってしまった。
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