2 西嶋一家

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部屋にチャイムが鳴り響いて、執事さんがそっと部屋を出て行った。 奥から小走りで出てきたともさんは、料理を大きなテーブルに置く。 あ、おいしそう。 「ママ―っ!!ただいまー!!」 「おかえりなさい」 一気に母親の顔になったともさんは目を細めて、走って入ってきた女の子を抱きとめた。 「ただいま……あっ、Polarisだ」 後ろから入ってきた男の子が僕らを見てぽつりと漏らした。 「ほら、ママのお友達にご挨拶して」 「……翼、小学5年です。はじめまして」 「夢です。小学校2年生です!」 そして後から入ってきた人は、僕らに視線を向ける。 うわっ、すげークール!! また背筋が伸びた。 ともさんがその人を引っ張って隣に立たせると。 「主人の蒼です」 「は、はじめまして!!僕たちバンドやってて……」 「あぁ。ともから話は聞いている」 蒼さんはそう言って、どさっ、ローテーブルに持ってたビニール袋を乗せて大量のお酒を見せるようにすると。 「朝までコースだが……ちゃんとついてこいよ?」 にやりと笑った。 ……ぽっ、 うわ、かっこいい! 僕思わず赤面。 「くくくっ、そう緊張するな。単なる大人の飲み会だ」 また荷物を持って奥に行ってしまった。
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