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「おーっし、とりあえず休憩にするぞー!」
どこからか声が聞こえて、僕は鞄片手にライブハウスを出た。
「北斗、コンビニー?」
「んー。ハラヘッタし」
「お前さっき食ったばっかだろー!」
「成長期なんだってー」
後ろからの声に手を振って、近くのコンビニまで歩いた。
おにぎりとー、メロンパンとー、野菜ジュースとー……。
あ、ご飯とパン一緒に食べたらどっちかにしろってまた流星に怒られそう。
……ま、いっか。ついでに大福も食べちゃうもんね。
レジでお金払って、袋はいりません!
僕、エコなんです。
多少鼻歌交じりにコンビニから歩く!
一応僕、ボーカルなんで。
ふんふん~ふふ~ん、
……っと、あれ、
地下に入るライブハウスの入り口横。
壁を見つめる女の人2人発見。
「あんたこのバンド好きなの?」
「うん、最近ハマってるの」
「へぇー。赤いアイツはどうしたのよ」
「ふふっ、彼らはもう好きとかのレベルじゃないの。それにもう赤くはないでしょ?」
「……あら?ちょっと今日ライブじゃない」
「うん……」
「聴きに来るの?……って、あっゴメン、私もう時間!」
「うん、またね」
「また連絡するわ!」
慌てて走って行った女の人を見送ってから、まだそこにいる人を見た。
「……あーぁ、聴きに来たかったなー」
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