6 甘い微笑み

4/4
348人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
「あの、ともさん?」 「んー?なぁに?」 「ケンさんって、この“Kenta Miura”の……」 「あぁ、うん。この人。三浦健太さんです」 蒼さんと散々言いあってた空気はあっという間にどこかに言って。 目の前にいるこの人は柔らかく微笑んだ。 「ケンのケーキ、食べた事ある?」 「な、ないです!!凄い有名ですよね!」 「僕たちもずっと食べたいと思ってて」 みんなで頷いていたら。 「じゃあ今日、目いっぱい食えばいいじゃねぇの」 緩く微笑んだ笑みを深くして。 ケンさんが目を細めた。 「ほら、皿持ってきたぞ」 蒼さんが紙皿を沢山持ってきて、ケンさんに手渡した。 「お前ら食いたい分よけとけ。じゃねぇと、ともと子供たちで食っちまうぞ」 あぁ、今日ってなんて日なんだろう。 いろんな夢がかなった! 「くくくっ、北斗。泣くほどうれしいか」 「うっ……はいっ!」 「ははっ、お前キイ之介みたいじゃねぇの」 「ちょーっと、ケンちゃん!僕キイ之介じゃないから!!」
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!