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立食パーティーといっていいのか……
いや、違うよね。
だってみんなそこらへんに座ったりしてるし。
「ふふっ、楽しんでる?と聞きたいところだけど、唖然としてる方が勝ってるかな?」
ともさんがやってきて僕らの傍に立つと苦笑を洩らした。
「ともさん、毎年こういうのやってるんすか?」
南がちょいちょいって指差しながら聞けば、ともさんは緩く首を振った。
長い髪がゆらゆらって揺れる。
「ううん、みんなで会うのは久しぶりなの」
ともさんは懐かしそうに目を細めて、少し笑ったような気がする。
「高校のね、クラスメートなのよ」
「……え?」
クラスメートって、だってこれじゃあ男子校……
「ふふっ、」
「蒼さん……の?」
「ううん、私も含めて」
「え、」
「この街の高校なんだけど、ちょっと変わってるの。クラスに女子一人なんだもの。変よね?」
くすくすと笑うともさんは最後に、ホント変、なんて付け加えて。
でも嬉しそうに話するんだ。
「卒業してもう20年よ」
少し目を伏せたともさんは凄く綺麗で。
そんなともさんの隣にそっと立った蒼さんも、懐かしそうに皆さんを見回した。
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