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「でも安心して。みんな口は悪いけど凄く優しいから」
「くくっ、お前口悪いってよ」
「否定はできねぇが、お前が筆頭だからな」
「くくくっ、ともにはそうでもねぇぞ」
「あぁ、お前は誰よりも“ひどい”からな」
「あぁ?……くくっ、いつの話してんだよ」
「さぁなー」
にやりと笑うお二人がやっぱりかっこよく見えるのは、僕たちとは違うタイプだから、かもしれない。
「っつーか、蒼はどうでもいいんだよ。車。車の話だ」
「くくくっ、俺はどうでもいい扱いか」
「うるせー。お前らな、あの車タイヤ結構減ってたぞ」
「……え」
コップとは反対の手が組んだ腕の隙間からびしっと僕たちを指差した。
「エンジンオイル交換したりしてんのか?」
「……多分?」
「“多分”?車検はちゃんと出してんだろうが、きちんと見てやらねぇといざというときに困るのはお前らなんだぞ」
「……ハイ、」
「ふふっ、タケね車の整備の仕事してるの。職業病だね」
「……あー、つい見ちまうんだよな。悪い」
「いえ!教えて頂いてありがとうございます!!」
思わず敬礼した僕に、タケさんは若干ひきつって手をひらりと振った。
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