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「夢、もう眠いんじゃないか?」
膝に座ってうとうとしている夢ちゃんを覗き込んだ蒼さんは、苦笑を洩らして後ろを振り返った。
「ママー、夢が寝むそうだぞ」
……蒼さんも、夢ちゃんが絡めばともさんのこと“ママ”って呼ぶんだね。
「パパが部屋に連れて行け……ないね。今行く」
「ママ、夢、ゆうちゃんがいい」
「え、優斗?」
「だってたまにしか居ないもん」
「しょうがないだろ、夢。ゆうちゃんはじじぃの執事なんだから」
「こら、翼。“じじぃ”じゃなくて“じぃじ”でしょ?」
「お待ちください、とも様、翼坊ちゃま。おじい様とお呼びくださいとあれほど言いましたでしょう」
「待ってよ、ゆうちゃん。俺に“坊ちゃま”をつけないでって言ったでしょ?」
「ならば、おじい様とお呼びくださいませ」
「でもね、優斗。父は翼たちにじぃじって呼ばれたいみたいよ?流石に60近いし、私もそれでいいと思ってるのよ?」
見上げたともさんに、執事さんは苦笑を洩らして。
「仕方ないですね。それなら、わかりました」
「俺はもう恥ずかしいからじいちゃんって呼ぶけどね」
「あ、翼ってば」
「おやすみなさーい!」
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