8 あの頃の俺達

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「夢、もう眠いんじゃないか?」 膝に座ってうとうとしている夢ちゃんを覗き込んだ蒼さんは、苦笑を洩らして後ろを振り返った。 「ママー、夢が寝むそうだぞ」 ……蒼さんも、夢ちゃんが絡めばともさんのこと“ママ”って呼ぶんだね。 「パパが部屋に連れて行け……ないね。今行く」 「ママ、夢、ゆうちゃんがいい」 「え、優斗?」 「だってたまにしか居ないもん」 「しょうがないだろ、夢。ゆうちゃんはじじぃの執事なんだから」 「こら、翼。“じじぃ”じゃなくて“じぃじ”でしょ?」 「お待ちください、とも様、翼坊ちゃま。おじい様とお呼びくださいとあれほど言いましたでしょう」 「待ってよ、ゆうちゃん。俺に“坊ちゃま”をつけないでって言ったでしょ?」 「ならば、おじい様とお呼びくださいませ」 「でもね、優斗。父は翼たちにじぃじって呼ばれたいみたいよ?流石に60近いし、私もそれでいいと思ってるのよ?」 見上げたともさんに、執事さんは苦笑を洩らして。 「仕方ないですね。それなら、わかりました」 「俺はもう恥ずかしいからじいちゃんって呼ぶけどね」 「あ、翼ってば」 「おやすみなさーい!」
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