1 夢に見たこの場所

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「あぁぁぁぁぁ、」 「北斗、マジでうるさい」 「のぉぉぉぉおぉおぉっ」 僕は今、最大級に後悔していた。 あの後、ライブも無事終わって、今日の出来は今までの一番ってくらいで、お客さんも凄いノリで。 みんなが歓喜に沸くその中で。 僕は後悔のため息と雄たけびをあげている。 南が隣で思いっきりため息ついた。 「お前、よっぽどだな」 「あぁ、よっぽどなんだよ!だって!なんていうかね、すっごい綺麗で可愛くて、でも子供がいるんだって!」 「……それもう何度も聞いたから」 「あぁぁ、マジで名前聴けば良かった!」 「……名前聴いてどうすんの?相手は人妻2人の子持ち」 「どうするとかじゃなくて!友達!友達に、なりたい!」 「人妻と友達か」 「人妻人妻って言うなよ!なんかやらしいだろ!」 「俺の中では既にその括りに入ってるけど?」 「やめろやめろ!!あの人はそう言う人じゃないんだって!」 南の頭の上に浮かび上がる“やらしい”を蹴散らす。 せめてもう一度、あの人に会えたら。 今度こそ絶対友達になるんだ。 その決意の結末は意外と早くやってきた。
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