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「あぁぁぁぁぁ、」
「北斗、マジでうるさい」
「のぉぉぉぉおぉおぉっ」
僕は今、最大級に後悔していた。
あの後、ライブも無事終わって、今日の出来は今までの一番ってくらいで、お客さんも凄いノリで。
みんなが歓喜に沸くその中で。
僕は後悔のため息と雄たけびをあげている。
南が隣で思いっきりため息ついた。
「お前、よっぽどだな」
「あぁ、よっぽどなんだよ!だって!なんていうかね、すっごい綺麗で可愛くて、でも子供がいるんだって!」
「……それもう何度も聞いたから」
「あぁぁ、マジで名前聴けば良かった!」
「……名前聴いてどうすんの?相手は人妻2人の子持ち」
「どうするとかじゃなくて!友達!友達に、なりたい!」
「人妻と友達か」
「人妻人妻って言うなよ!なんかやらしいだろ!」
「俺の中では既にその括りに入ってるけど?」
「やめろやめろ!!あの人はそう言う人じゃないんだって!」
南の頭の上に浮かび上がる“やらしい”を蹴散らす。
せめてもう一度、あの人に会えたら。
今度こそ絶対友達になるんだ。
その決意の結末は意外と早くやってきた。
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