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留美は布団の中で考えていた。
アキちゃんやみんなが言っていたことは、やはり本当だった。
行方不明になった女の子が、浩太の彼女だったのも真実だろう。
ふと、留美は彼女と自分の境遇を重ね合わせてみた。
いつもの慣れた海のはずなのに、ここがどこだかわからない。
どれだけパドルを漕いでも、どこにも辿りつく事はできない。
バードケージで迷子になっているのは自分の方かもしれない。
みんなはどこかにいて、自分の事を探している。そんな気がした。
体の底から、静かに力が湧いてくるのを感じる。
行こう。自分の力で、みんなに会いにいこう。
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