第1章 神宮寺 あ か り

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もうこうなると座敷童子 (ざしきわらし)と言うより、 座敷キッズである。 「あっっ!!  シッッ!!   あっちさいげ!!」 「んだ!! おっかねー!  あかり~虫さでたど!  掃除してけろ!!」 なぜか東北弁。 あかりには、 金太と花のこんな会話 も聞こえない。 姿が見えないのはもちろん、 気配すら感じないのだ。 しかし、 あかりには4歳になる 妹のみさとがいる。 幼いながら高い霊能力を持ち、 見えないものを見、 聞こえない声を 聞くことができるのだ。   「姉さま、 金太と花が 掃除してけろって言ってるよ!  ゴキブリ出たって!!」 と、 このように教えてくれる。 「え~!!  どこっっ!!」 まるで神様との間を取り持つ 通訳のようである。 実に頼もしい。
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