第1章

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「耀(あきら)ちゃん、終われそう?」 定時5分前にデスクの片付けを終えた 3年先輩の鈴木華絵(かえ)ちゃん 「ごめんなさい!まだ終わらないの! 今日はパスしようかなぁ」 キーボードを叩きながら私が言うと 「えー、耀ちゃん連れてかなかったら あたし男達に怒られるよ~」 「マドンナの華絵ちゃんがいれば 私なんていなくても、みんな気付かないって」 「何言ってるのよ!あたしがマドンナなんて いつの話よ!もうすぐ三十路だっていうのに」 私が短大卒で華絵ちゃんは 四大卒で3年先輩だから5才上でいま29才 「こっちに帰って来るとき本社の 戸田チーフが言ってたよ」 ------------------- 「杜崎が行く営業本部には俺達同期の マドンナがいるんだ 鈴木華絵っていうすげー美人 まぁ訳ありでバツイチだけどなぁ あっ、これは個人情報ってやつか…」 ------------------- 「戸田?あぁ、晃司くんね… あいつ調子いいから話半分で聞いておいて」 「でも、荒木課長も隣で聞いてて頷いてたよ」 「荒木課長はあたしが入社当時の教育係だったから 贔屓目で見てくれるのよ」
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