第1章

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少し罰当たりではないかとは思いながらも せっかくここまできたのだからと祠の扉に手を伸ばす。 決して真新しいわけではないけれど、薄汚れているわけでもない。 いつからこの祠がここに建てられているのか僕はまったく知りはしないが それでもこの祠に蓄積された年月と時代を感じ取ることができる そんな年月を刻み込んだ扉が、ゆっくりと、静かに軋みながら開いていく。 想像していたよりも綺麗に整理された祠の中には これまた綺麗に折りたたまれた紙がそっと置かれていた。 僕はその紙をなんとなく両手で丁寧に拾い上げると慎重に開く。 慎重に開かれた紙の内側に書かれていたのは 祠の神秘性には何とも似つかわしくない手書きの地図と、その地図のとある一点を指し示す矢印だった。
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