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「…………琥哲。」
嫌だと拒否すると、名前を呼ばれ、しばしの無言の空気が続く。
なんだよ、じれったい。
とかおもっていると、親父が口を開いた
「残念だが、拒否権はない。もう、むこうの理事長に承諾したからな。」
「…………は?」
「ちなみに、全寮制でお前は特別に一人部屋。学費も食費も全てタダだ。出来る限りの融通もしてくれるそうだ」
「親父、絶対母さんに頼まれただろ」
「そんなことはない。ただ、虎哲に普通の学生生活を送ってもらいたいだけだ。仕事もつきまとってはくるが、学生の時にしか楽しめないものもあるし親心故だ。」
色々と言っているが、恐らく、貴腐人である母さんに頼まれたに違いない。今でも母さんにベタ惚れだからな、親父。
ということで、もう、この仕事は受けるしかないっぽいな。
親父は決めたことはなかなか曲げないし、第一、依頼人に仕事を受けると伝えているならばするしかないだろう。
めんどくさいが、やるからにはちゃんとやろう。楽しもう。
それに有名な便利屋の息子が七光りじゃねーことを証明できるいいチャンスだしな
「親父、仕事、受ければいいんだろ」
「琥哲!」
「あーはいはい。そんなキラキラした目でみんな。でも、条件がある」
「ん?なんだ?」
「……──────」
「わかった。じゃあ、よろしくな」
こうして、俺の高校生活は仕事をしながら楽しむことになった。
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