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「良くないわ。なんでそんな強引なこと。」
立原は出て行こうとする美織音の腕を掴んだ。
「雅宏くんは、君のこと好きだから、君がこういうこと嫌いだって知ってても手を打ったんだよ。」
「だけど、度をすぎてるわ。私、自分のやったことには自分で責任をもちたいんです。」
立原は面倒くさそうな顔をすると、ため息をついた。
「かわいくないよ。」
単刀直入に言われて、美織音は動揺したけれど、やはり気持ちは変わらなかった。
「けっこうです。失礼します。」
立原は美織音が寝ていたベッドに腰掛けると、低く唸った。
「…似てる。」
自分で全部なんでもできる、やってしまおうとする、それで無理をする。
自分にそっくりだ。
自分で客観視できてるならいいけど。
立原はふらりと立ち上がると、次の授業の準備のために保健室を出た。
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