宵闇に歌うカナリヤ~magic45~

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「悲鳴聞こえたけど、…雅宏?!」 さすがの立原も倒れている雅宏を見て動揺した。 「えっと、…動かさないで。救急車呼ぶ。大丈夫だからね。」 立原はそう言ったけれど、美織音は涙が止まらなかった。 数分後、救急車が来て、すぐ近くの大学附属病院に搬送された雅宏は、軽い脳しんとうを起こしていた。 待合室で待つ美織音と立原は暫く黙り込んでいたが、立原は美織音に尋ねた。 「雅宏くん、何、階段を踏み外したの?」 「踏み外したなら、下りだから後ろに倒れると思うんですけど…。」 「そうだよね。うーん、あ、」 立原が顔を上げるとその先には、雅道がいた。 立原は立ち上がると、声をかける。 「叔父さん!」 「光一、久しぶりだね。雅宏は?」 珍しく慌てた様子だ。 周りをキョロキョロ見渡していた。 「今、処置してもらってます。軽い脳しんとうと、あと腕が折れてるかもって。」 「骨折?何があったの。」 立原は美織音に目をやった。 正直、立原もあまり状況を把握していない。
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