宵闇に歌うカナリヤ~magic45~

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五月も半ば。 新緑が目に眩しい。 早朝の学園には、吹き抜けから光が差し込んで、そこを通る人を優しく照らし出す。 「満お兄様、御機嫌よう。」 紫苑は控えめに微笑んで会釈をした。 紫苑の「兄」の満は、掲示板の前で腕組みをしていた。 「お早いんですね。…例の日から。」 「紫苑。まだ屋敷で寝てるかと思った。」 満は微笑み返すと、掲示板に貼られた紙を指先でそっと撫でた。 「美織音さん、停学?」 「僕も減給だ。君が僕を売ると思わなかったよ。がっかりだ。」 紫苑は表情を変えない。
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