宵闇に歌うカナリヤ~magic45~

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そうこう言っている間に学園の裏口についてしまった。 美織音は柏木に礼を言うと軽やかに車を降りた。 とても気持ちのいい朝…のはずだった。 学園のエントランスに入るなり、掲示板に人が群がっている。 美織音からは人が多すぎて何かよくわからない。 すると、前の方から怒鳴り声が聞こえてきた。 「陰宮さん!なんで美織音が停学なんですか?!」 雅宏の声だ。 美織音は内容には気を留めずそれだけが気になった。 しかし、次の瞬間、自分の身に起きたことを理解した。 「いや、だからー、僕も責任取って減給だし、逆宮さんにもそれなりに、」 陰宮が弁明している声が聞こえる。 「あんたが美織音のことけしかけたんだから、あんた一人の責任だろ?!」 雅宏がここまで声を荒げるのも珍しい。 美織音は大きく手を挙げると叫んだ。 「あのっ!逆宮ですけど!!どういうこと?!」 生徒たちが一斉に振り返った。 さすがに、美織音はその視線が重すぎて一歩ひいてしまいそうになった。 「どうもこうも!停学3日間って!」 雅宏がものすごい勢いでこちらに歩いてきたので、美織音は後ずさった。 「停学くらうってことは、内部進学の可能性はゼロ、奨学金の選考にだって関わるんだぞ?!」 内部進学の可能性がゼロ。 美織音はそれを聞いた瞬間、目の前が真っ暗になった。 身体の力が抜けて、崩れ落ちる。雅宏の声が遠くに聞こえて、意識を手放した。
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