虚しく光る正方形

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佐藤さんのお客さんとの接待に欠員が出たとき、 まっさきに僕を推薦してくれたのは佐藤さんだったらしい。 その時の接待のお客さんは会社にとってかなり大口のお客様で 僕の事を売り込む目的があったと。 まわりの先輩社員はもちろん、物静かでつまらない僕の出席を反対した。 でも 僕がその接待でお客様と盛り上がって話をし、お客様に気に入られた事を 彼女は自分の事のように喜び、会社のみんなに話したらしい。 僕がそれをすべて知ったのは、星川さんと快楽に溺れたあとだった。 でも、なぜ、そうしてくれたのか、それだけはまだわからなかった。
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