虚しく光る正方形

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「1番なんかいらない。」 「......」 「6番が欲しいの。」 「6番がいいの!」 彼女の目からは大粒の涙がこぼれ落ち、 彼女は、 くしゃくしゃになった紙を僕に投げつけ、会社を出て行った。 僕はその紙を拾い上げ、しばらくその紙を眺めていた。 彼女の後を追う事もせず、ただ、立っていた。 当たりと書かれたその紙をずっと眺めていた。
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