「試合」

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準決勝。 相手は同じくシードで上がってきた 昨年の3位チームであった。 隣町小学校の6年生が主力となるチームでもあった。 「先発メンバーを発表する。竹本に代わって笠松」 貴志は愕然とした。  常にレギュラーの自分が外されてしまったからだ。 試合が始まった。 ところが・・・・・・ つまらないミスの連続だった。 流れが拮抗しており、サーブ交代のきっかけが訪れた。 当然、貴志の名前が呼ばれる・・・・・・ 誰もが思った。 しかし、監督の発した名前は違っていた。 「タイム。 ピンチサーバー・・・・・・高知」 高知のサービスエースをきっかけに試合の流れはこちらに傾いたかに思われた。 しかし、ゲーム数 1対1のまま、最終ゲームに入った。 貴志に出番が廻ってこない。 「何故なの?」 母親達の願いも届かない。 そして、こども達にも動揺があった。 しかし・・・・・・ 最後まで貴志の名前は呼ばれなかった。 そして試合が終わった。 負けてしまったのだ。 こども達は泣いていた。
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