第1章

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「ミユキの言う通りに、自分で自分の事管理する。 タレント事務所にも入る。 だから、その冷たい態度はやめて。 心臓少しずつ抉られて、苦しい………から」 「あんな事があって、そう簡単に態度が変えられるワケがないでしょう? そんな自分よがりに傷ついた顔しないでよ。 私の方がもっと傷ついてる。」 「うん……… 分かってる」 リューマがダンマリしたので、今度こそは阻止されまいとソファから腰を上げる。 寝室に入り、寝巻きに着替えた。 温泉入ったままの素っぴんだし、 歯を磨いて、さっさと寝てしまおう。 きっと眠ってしまえば 朝起きた時にはこの昂った気持ちも多少落ち着いているかもしれない。 リューマを許す気なんてないけど、 この荒んだ気持ちは少しは落ち着くかもしれない。 歯を磨いて、寝床につく。 リューマはリビングのソファに腰掛けたまま動こうとしなかった。 目を閉じると 今日起きた出来事が、また脳裏に甦ってきて 涙が溢れた。 あとからあとから目尻から涙がつたってゆく。 裏切られるってこんなに辛いんだ。 絶望感に支配されて 苦しくて苦しくて心臓が痛い。 穏やかな気持ちになれる時がこれから先あるんだろうか? リューマをまた心底愛せる時はくるんだろうか。 一旦冷めてしまった気持ちは もうなかなか元には戻らないような気がした。 リューマを好きでいるのは 辛い事ばかりで いっそうの事、独りの方がどれだけ心が楽かと 離婚の事まで頭を掠めてしまった。 もう、リューマを愛せないなら 夫婦生活を続けていく理由もない。 そこまで考えが及んでしまった事に これはもう重症な事態になってしまったのだと実感した。
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