ー第1草ー《そのラブレターはラブレターじゃありません。》

3/7
前へ
/9ページ
次へ
そして、何事も無かったかの様に舞い戻る 日常風景。 足音を最小に極力目立たぬ様、颯爽と雑草は進んでいき 白く清潔感のある真新しい校舎の壁が視界の両端に流れつつ── ふと思い返す。 新しい環境にも……なんだかんだで慣れてしまったモノだな、と。 そう、この学校が出来たのはつい去年の事だった。 学年も地域も学力も関係無く、それどころか本人の意思さえも関係無くなる程の 多額の国からの補助金を親に押し付けられ── 「特別」という定の良い仕分けを受けた生徒達が、一斉に緊急に国のワガママで…… 各学校より集められたのだ。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加