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そのあと、
「おっ…魄ちゃん見っけ♪」
と言って駆け出した破理さんを意識の隅から追い出して。
(自分の本心に向き合う…か)
彼女の言葉について考える。
(このモヤモヤはきっと……)
と。
ちりっ、と脳裏に電気が走る感覚がして。
(あら、零?どうしたんですか?)
遠くにいる“兄”から思念が伝わる。
そんな彼が言った言葉は……
(私……いや、僕、告白するんだ。だから……一応報告しとこうかなって。)
そんな台詞。
(別に私に言わなくても良いとは思いますが。……ほら、私と話してる暇が有るのならさっさと行きなさい。)
一瞬思考が真っ白になりかけたけれど、其を抑え告げる。
(ふふっ、ありがとう零。頑張るね。)
(別に感謝なんて要りませんよ。……頑張りなさい。)
平常心を装ってそう返すのが精一杯だった。
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