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これから半日を憂鬱と思える時間を過ごさなくてはいけない。
キースは早く終わるように念じながらうつ伏せになり目を閉じた。
――――――――――――――
日がかなり傾いた頃、苦痛に感じた授業が漸く終わった。
「ふぁ~、腹へった」
キースは欠伸を噛みながら鞄を持って席を立った。
「待てよ」
教室の扉に手を掛けたとき後ろから野太い声が聞こえた。
その声にはぁ、と息を出し振り返った。
「何だよ、ピンズ」
「朝の続きだ」
ピンズは短く答えた。朝の続き、それはホームルーム前の話だ。
「やれやれ、興が削がれたんだがな」
諦めたように頭をかき、頷いた。
「いいぜ、やろうか」
「さすがにここではまずい。場所を移す」
ピンズは顎でついてこいと示し、移動を始めた。キースもそれに続く。
彼が指定した場所は学校の裏側の森だった。この人気ないの所でなら誰にも邪魔される事はない。喧嘩するならうってつけだ。
「さて、一言言わせてもらうが手加減するつもりはねぇぞ」
ピンズは低い声を発して対峙しているキースを睨み付ける。彼の醸し出す雰囲気は今まで以上に威圧感が凄かった。
「それはこっちの台詞だ。いい加減目障りなんだよ、てめぇは…」
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