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キースも目を光らせ唸るように言った。今日でこいつとの関係に終止符を打つつもりだ。
両者沈黙したまま拳を握って互いの間合いを狭めていく。
そして後数歩で二人が間合いに入り込もうと差し掛かったとき。
「ふっ!」
最初に先手を打ったのはピンズだ。巨体を躍らせ、彼より身長の低いキースに右拳を降りおろす。
「……」
キースは冷静にそれを受け流して空いている顔面に拳を捩じ込んだ。
「くっ!」
ピンズは苦悶に満ちながらも彼の腕を振り払い更に攻撃を繰り出す。それに対してキースは相手の拳を避けつつ、懐に潜り込んで今度は腹に二発叩き込む。
「かはっ!」
ピンズはよろめき足を止めた。そこに更にキースからの追撃が来る。
かろうじて防御して後ろに下がったピンズ。この流れから一見するとキースが有利に見えるが彼の顔からは汗が出ていた。
ピンズはキースより体の体格がいい。そのため力がある。その点ではキースは見劣りする。
なのでキースは持ち前のスピードを生かした戦法を取るしかないのだ。
「おらっ!」
今度はキースから攻撃を仕掛ける。
彼の鋭い拳がピンズの顔面を狙う。今度は防御された。だがキースは予想していたように直ぐ様、横に飛び横腹に突きを叩き込んだ。
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