始まりの章

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「ぐはっ!」 ピンズはよろめいてキースから距離を取ろうとしたがキースが許さなかった。 彼の襟首を掴み、引き戻すと同時に自身は飛んで顔に目掛けて膝をかました。 途端にピンズの鼻から血が吹き出る。 鼻を押さえて膝をつくピンズにキースは容赦なく回し蹴りを放つ。 「くっ!」 腕を前に出し彼の蹴りを止める。 「調子に乗るなっ!」 そのままキースの足を引っ張る。 「ちっ!」 バランスを崩された所に腹に頭突きをもらう。 「がっ」 「この糞がっ!」 動きが止まった所に頬に衝撃が来る。キースは倒れそうになるが何とか踏みとどまった。 「ちぃっ!!なめんなよ」 今度は二人同時に顔に拳が当たる。 がつ、と骨が当たるような音と共に両者の顔面に痛みが生じた。 「ぐ…あ!?」 この打ち合いに勝ったのはピンズだ。キースはたまらず膝をついた。 元々ピンズは腕が立つ。攻撃が同時に当たれば腕力が強い方が打ち勝つのは必須だ。 「こなくそ!」 だがそれでもキースは臆さない。足に力を入れ、立ち上がる。 「まだやるか!!」 「ったり前だ!」 ピンズの怒声を一蹴して地面を蹴る。 そこからは乱闘になった。両者の間合いから時には拳が、蹴りが炸裂し、当たってはもらい、当たってはもらいの繰り返しだった。
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