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「こ…の糞が!!」
中々倒せないことに苛立ちを覚え、ピンズは大きく振りかぶる。
「!?」
大きいのが来る、それを察知したキースは素早くかがみこむ。同時にピンズの拳が頭上を通過した。
チャンスだ。今、大振りで殴りかかってきたせいで身体が流れている。
「ふんっ!」
キースは拳を握り、隙が出来たピンズの顔を殴り飛ばした。
「ぐあっ!!」
脳をゆすされ思わず倒れてしまう。直ぐ様立ち上がろうとしたがしかし、キースはそれを許さなかった。
ピンズの上に立ち、彼を睨んだ。
「終わりだ、糞野郎」
乱暴に言い放ち、拳を振り下ろす。それからしばらく彼の方から乱暴な音が響いた。
――――――――――――――
「はぁ、はぁ」
キースは肩で息をしながらピンズの上から降りる。彼の顔は少し変形していた。
「つっ!!」
急に手に襲ってきた痛みに顔をしかめる。両の手は皮膚が剥け血が出ていた。
あれだけ殴り続けていたのだ、無理はないだろう。
不意に上から何か冷たいものが落ちてきた。何だと空を見上げればポツポツと滴が落ちてくる。
空はいつの間にか曇で覆われており暗くなっていた。
雨は最初は点々と降っていたがやがて勢いをまし大雨へと変わる。
「……」
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