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10分走って漸くその場所にたどり着く。息も絶え絶えになりながらも光を見上げる。
「うひょ~、でけ~!!」
近くで見ると更に大きく見えた。立ち上る光はごうごうと音を立てて神々しい輝きを放っている。
「……これ触っても大丈夫か?……ん?」
更に近づき光に触れるように手を近づけた。しかし、直後に何かに気付き、止める。
「……」
光の中に人がいた。眩しくて性別までは確認できないが確かに人だ。
キースがこの光景に唖然としていると突然光の勢いが徐々に弱まった。同時に光の中の人影がはっきりしていく。
それが明確に見えてくるにつれようやく性別を確認することができた。
「えっ…女?」
彼の言う通り女だ、しかも自分と同じ歳くらいの。
腰まで届く長い金の髪、雪のような白い肌。顔はかなり整っていて道歩く人が見たら看取れていただろう。かくいうキースもずっと彼女を見つめていた。
そうしている間に光はまるで彼女の体自身に取り込まれるように徐々に消えていった。
「ねぇ…」
「え…?」
突然話し掛けられ、間抜けな声を出す。いつの間にか彼女は自分を見ていた。彼女の首に掛けられた青い水晶が付けられたネックレスがキラリと煌めく。
「…あなたは…誰?」
「えと…俺は…」
自分の名前を名乗ろうとしても口に出せない。こんなに緊張したのはいつぶりだろう。
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