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「……」
少女はキースが答えるのを待っているかのようにただ黙って彼を見つめている。
キースはこの時、少女に違和感を覚えた。一見美しく映る彼女だがその顔には一切の表情がない。
まるでその姿は人間にあるはずの熱がなく無機質に感じた。キースは彼女に見いられた気持ちが冷め、訝しげに尋ねた。
「お前は一体・・・」
「・・・・・・」
少女は答えなかったが不意に口を開く。だがそれは自分の質問の答えではなかった。
「ねぇ、あなたの光ってなんなの?」
「・・・は?」
いきなりこいつは何を言い出すんだ。光?なんだそれは。キースが少女の発言に戸惑っていると彼女は更に問い詰める。
「あなたにとっての光は何なの?」
「俺にとっての光?何だよそれ。意味が分からねぇよ」
「・・・祖母が言っていたの。どんな人にも光は必ずあるって。でも私にはそれが分からない。だから教えて」
表情を変えず淡々と喋る少女。彼女の透明な瞳は自分を一心に見つめている。その瞳にキースは心の中を覗きこまれているような感覚に陥る。それが何だか気持ち悪かった。
「お前本当何なんだ?いきなり現れて意味わかんねぇこと言いやがって!お前何なんだよ!!」
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