おまけ 1

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それから 夕食を終え 洗い物をしていると 「これ、なおしたらいい?」 洗い終えた食器を 指さしながらそう聞いてきた。 「え、いいですよ。私がやりますから陽向さんは、ゆっくりしててください。」 「2人でやった方が早いだろ?」 「……じゃあ、お言葉に甘えて頼んでもいいですか?」  「ん」 私ほど 頑固ではないけれど 彼も 相当の頑固者で 私が思うに 人が なんと言おうと 自分が やると決めたら 必ずやるが 陽向さんのモットーだと思う。 「あ、そうそう。お前が食べたいって言ってたケーキ屋のプリン買ってあるから後から食べたら?」 「えっ、プリン買ってきてくれたんですか?」 「あぁ。」 お皿を拭きながら 顔色ひとつ変えずに答える 相変わらず ポーカーフェイスを きめる陽向さんとは反対に 嬉しさを 我慢できなくて 幸せオーラが駄々漏れな私。 つい 最近出来た 話題のケーキ屋さん。 ずっと そこのプリンを 食べたいなとは思ってたけど 家から ケーキ屋さんは 少し遠くて 免許を持っていない 私が買いに行くことは出来なくて。 だから 嬉しくて嬉しくて 彼への感謝の気持ちでいっぱいだった。 「……ほ、本当ですか?」 「そんなことでウソついてどうすんだよ。今日、たまたま外に出る用事があったからついでに。」 「陽向さん……」 私の 何気なく言った言葉を 覚えててくれて わざわざ買ってきてくれるなんて。 もう…… 本当に最高で  パーフェクトな旦那様だ。 「手、止まってる。」 「あ、すいません。早く洗い物を終えてプリン食べなきゃですねっ。」 急いで 洗い物を済ませて 陽向さんが 買ってきてくれたプリンを食べるんだ。 「クスッ、想像どおりだな。」 「え?」 「……なんでもない。ほら、洗い物終わったんならプリン食べれば?」 「はいっ!」 .
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