おまけ 1

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「美味しいですっ!」 「そりゃよかった。」 急いで 洗い物を済ませた 私は念願だったプリンを。 陽向さんは コーヒーを飲みながら 2人でソファーに 寄り添うようにして座り 今日1日あった なんてことない 他愛ない話しをする。 これは 同棲を 始めた時以降 いつの間にか 恒例になっていた2人の時間で。 陽向さんも 持ちかえった仕事がない限り 嫌な顔なんてせずに いつも 数少ない 貴重な自分の時間を 私とのスキンシップの時間にくれて。 だからこそ 私は 1日の中で この時間が1番好き。 忙しくて 何かとやることがある 朝とは違って 時間とか関係なしに 好きなだけ陽向さんに くっついて甘えていられるから。 「えへへ……。」 毎日が すごく幸せで 楽しくてドキドキで。 今ある幸せは全部 陽向さんが私の隣に いてくれるからこその幸せなんだよね。 「……私、幸せです、すごく。」 こてんと 彼の肩辺りに頭を ゆっくりと預けながらそう呟けば 「……俺も。お前がいてるくれるから幸せだよ。」 そんな とっびっきり 甘くて幸せな言葉とともに 私の身体を 自分の元へと強く抱き寄せた。 「……変わらないでくださいね。」 「ん?」 「職場の既婚者の人達が前に言ってたんです。甘くて幸せな時間は最初の新婚の時だけだって。」 「……ふぅん。」 「だからって、そんな話しを鵜呑みにしてるわけじゃないです。でも……」 やっぱり 少しだけ不安。 今の幸せが なくなってしまうなんて。 そんなの……イヤ。 「変わらないよ、俺は。」 「……本当?」 「あぁ、約束する。」 「じ、じゃあ、今も、これからも、ずっとその先も、私だけを好きでいて私だけに優しくしてますか?」 「……いや、悪い。それは、約束できない。」 .
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