1 crumble to nothingness

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* 「ん、似合ってんじゃん!お代は個人でよろしく!」 「・・・自分で言うのもなんですがそうですね・・・ありがとうございました。」 数時間後、鏡の前にいたのは髪の毛が暗めの金色に染まった自分だった。 「・・・お、光なかなかじゃん。」 「へぇ、下の名前光くんっていうんだ。髪の毛の色にぴったりだね。」 茜さんは俺の髪をふさふさと触り、整えつつ目を細めて。 ぽんっと俺の頭を叩いた。 「じゃあ失礼します。」 ぱさ、とお金を渡して松葉杖を持つ。 「え、あ、お釣・・・。」 茜さんが焦ってレジにいこうとするのを押さえて。 「お釣はいいです。・・・せっかく、変えていただけたので。」 ・・・なんて言って、笑ってみた。
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