1 crumble to nothingness

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病院で数日入院していただけでも。 自分の体調がよくないのは、自分が一番わかっていた。 覚悟はしていたつもりだった。 ・・・でも、ここまでひどいだなんて思ってなかった。 診察室から車椅子で親に押してもらいながら病室に戻る。 父さんも母さんも、喧嘩の理由を言ったら、何も言わずに頷いてくれた。 俺は・・・傷害事件として扱うこともできるのに、警察に届け出はしなかった。 脅されていたからとかそういう問題 じゃなくて。 お金で取り返しがつくとか、そういう問題じゃないと思ったから。 終わったことを根に持っていても何も変わらないと思ったから。 ・・・そんなことをぼーっと考えているうちに、入院期間は終わって。 家へ帰れることになった。
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