―世界を破壊する入社試験―

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――― 『さぁ次は悠木 愛奈さんです。こちらが用意した老人は……。おっとこれは大丈夫なのでしょうか……。私は不安を拭いきれませんね。なんと、地元では有名な松重 重次郎さん、御年63歳。そのあまりにも頑固ですぐに怒ってしまう雷オヤジっぷりに付いたあだ名が【憤怒の稲妻】……』 「松重さんはこちらが用意した老人の中でも若い部類ですからね……。荷物を持って貰うのを拒否する可能性もありますね。愛奈たんがあの憤怒の稲妻をどう対処するのか……。気になる所です」 『山田さんが悠木さんをそんな愛称で呼んでいる事に若干引きつつ次が間もなくスタートです』 ――― ど、どうしよう……。始まっちゃう……。 まずは急いで松重さんの所に行って「お荷物重そうですね。向こうまで私が運びますよ」って言うのが普通なんだろうけど……。 私、あのお爺さん苦手なんだよなぁ……。 何かあるとすぐに怒るし……。 でもやらないとイケないし……。あぁ、ヤダな。 パァンッ!! 『さぁスタートです!!』 始まっちゃった!?えぇい!こうなったら行くしか無い! 『おぉっと、悠木さんが松重さんに近づいた!さぁ、どんな作戦で荷物を持って貰うのか!!……何かを話してる様子ですね。ん?以外にもすんなりと自分の荷物を悠木さんに預けた!?…………う、うわぁ……松重さん……めっちゃ鼻の下を伸ばしてる……。地元で恐れられているあの憤怒の顔はどこに行ったのだろうか……。これじゃ単なるエロジジイだよ。若い子に話しかけられて舞い上がっちゃってるだけだよ。凄いショックですよ。ホント。あぁ……そのまますんなりとゴールですね。これに関してはどう思いますか山田さん』 「愛奈たんカワイイ」 『山田さんの尊厳が崩壊した所で次に行きます』
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