第1章

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 やれやれじゃわいや。  雇った刺客はごういるわいホンマ。 初めて逢うた時はほんまどうしょうものう危なかっしい奴じゃった。 この寝顔からは想像出来んが。 唯のストリップダンサーかと思うて声をかけたらいきなり爪を剥き出しにしてこう言うたんよ。  『あんたのOパンT頂戴致しやす』  『やれるもんならやってみいや』  そう言うて儂は手下の鬼にヤッチマイナと号令を掛けたんはええが、次々に鋭い爪としなやかな動きでバタバタとのしていき…、  遂に儂との一騎打ちになったんじゃ、  ここからがほんましんどかった…。  儂も金棒を手に応戦したんはええんじゃがの、軽快にステップ踏んで儂の金棒をよけるわ、ひょいと金棒の上にジャンプしてくるくると回転しながら儂の背後を取りよるけしまいにゃ儂も歯痒うなったもんじゃけ。  奥の手を使ったわいや。 早送り》ピ。 儂は金棒を振る猫よける金棒回す猫飛ぶ猫来る猫ひっかく儂よける儂よける猫飛ぶ儂……。 二倍速にしても追いつかんかったけ。 三倍速にしてやったわいや。 三倍速》ピ 儂、猫、儂、猫、わし、ねこ、わし、ねけ…作者が誤字った!儂猫儂猫儂猫……。 倍速じゃあ歯立たんかった儂は、 更なる奥の手、 スローモーションで動きを鈍くしてええ位置に来たら一時停止してそこにどぎついのをお見舞いしちゃる事にした。 スロー》ピ 猫・・・・飛ぶ・・・回る。儂・・・金棒を構える・・・そして振る・・・猫にヒット。猫・・・態勢を崩し・・・ゆっくり壁に飛んでゆく。よ・・・し・・・とどめ・・・じゃ・・・。  そう思ったその時よ。 猫は右手の爪をスッと差し出した。  「OパンT、確かに頂戴しやした」
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