1人が本棚に入れています
本棚に追加
お父さん、お母さんの前では普通に喋る事・自然な笑顔が失恋した今の私には辛すぎて。
夕食が終わると『疲れちゃった』と部屋にあがった。今の私を知っているのは藤永さんだけ。
メアド・電話番号を登録し《吉井美和》と付けてメアドを送信した。
『辛かったらいつでも部屋に来て良いから』
『ありがとうございます』と藤永さんとのメール中、他のメールがきて相手が松本さんだった事に動揺した。
メール内容は、アパートの写真と行き方・明日からでも家政婦のバイトはオッケーだと言う簡単で素っ気ない文章にまた泣いた。
メールで動揺するなら、いっそのこと松本さんの登録を削除してしまおうか!?
布団に入り書かれたバス停を検索してみる。
バス2つ乗り継ぎかぁ。
もう…どうでもいい、そんな気がする。
学校が改装の為に2週間休みの初日、昨日だと書いてあったから私は書いてあった電話番号に電話をし午前中に行く事にした。
お父さん・お母さんには『バイトに行くから』とだけ言っておいた。
バスを乗り継ぎ私はアパートまで歩いていた。
行きたくない!だけど、私が行かなければ松本さんが危害を加えられるかもしれない!失恋しても、こうして松本さんの身を心配してしまう私。未練がましいな…。
バス停からアパートを探し歩いて30分、やっと写真と同じアパートを見つけた。午前中っていってもアパート探しに時間を使い昼になってしまった。
玄関に立つと、あの女が布団に入ったままカップラーメンを食べているのを見る事になる。
『吉井美和です、今日からよろしくお願いします』
この女には、したくない挨拶。
『あぁ』
そう言ってまたカップラーメンを食べスズズ~ッとスープを飲んでいる。
この人が松本さんの元彼女かぁ。そして、あの夜って松本さんに言わせた女なんだ。
私は挨拶程度でも掃除をするかもしれないから…と久々にTシャツにジーンズという格好を見下ろした。
【お守りに疲れたのよ】
たしかに子供みたいなもんか。
『あの…仕事はいつからすれば良いですか?』
『見ればわかるでしょ。散らかってるから今すぐにでもすれば?』
『わかりました』
なんかあの浪人生と変わらない散らかりように先々不安がよぎった。
最初のコメントを投稿しよう!