《第5章・お互いの気持ち…》

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建物はグレーと白をあしらった外観と内装、茶色のフローリング床。ひと部屋に布団・テーブル・家具や家電がまとまる事なく雑然と置かれている。 持ってきたごみ袋に手当たり次第燃えるごみ・惣菜やカップ麺等のごみを仕分けながら入れていく。食べて放置してあるせいか触りたくないのに。 部屋にごみがなくなったのは2時間後くらいになり、手を洗いに台所に行くといつ使ったものなのかわからないくらいの鍋とフライパン・丼等が流し内に山になっていた。 仕方なく浸け置きし明日洗う事にする。ボロボロの雑誌や漫画『いらない』って言われたから頑張って仕分けしながらまとめてる。 ごみ10袋・雑誌等6束。 それだけすると夕方になっていた。 布団から動かずテレビを見てるだけなのに威圧感漂う、あの女の人に修羅場で痛い目にあってるせいなのか。 松本さんと出かけるようになって履かなくなったスニーカー、久々に履くとなんだか足が暑い。 替えの靴下をバス停で脱ぎ素足になった、涼しい。 リボンはつけずに色ゴムだけで束ねてた髪、リボンに手を当てるクセがついたせいか物足りない。 だけど、リボンをすると松本さんを思い出すから… 失恋した事を思い出すから…バスを乗り継ぎいつもの道を歩いて帰る頃には薄暗くなっていた。 お風呂・ご飯…そして9時には疲れてすぐに寝てしまってた。 寝る前のメールや着信チェックもする事なく、松本さんの着信すらもうないのだから… 次の日、服装は昨日と似た感じのままで家を出て迷う事なく10時にはアパートに着いた。 またごみが散らかってる!それらを仕分けしてごみ袋にまとめ、台所の洗い物に取りかかった。 洗い物をしてると後ろからあの女の人が言う。 『明日はごみの日だから8時前には来なさい。そして、洗濯物も溜まってるから家政婦の仕事だから~』 心の中でため息をつき『わかりました』とだけ言った。 洗濯物溜まってるから、って簡単に言ってくれたけど洗濯機3回はまわした。 物干しも汚くて拭いてから干すと腕と肩がだるい。 その後は床を掃除して、持ってきた洗剤とクイックルワイパーで磨いた。 その夜も9時には疲れて眠っていた。 次の日、6:40には家を出てバスを乗り継ぎアパートに向かう。
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