《第5章・お互いの気持ち…》

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8時前に着きチャイムを鳴らすと『開いてる』と怒鳴られた。 指定されたごみ収集場所に2日で仕分けた大量のごみを1人で運ぶ。 『明日は雑誌に衣類や資源ごみかぁ…明日も6時起きになるよね…』 部屋に戻るとあの女の人は布団から出ないままテレビを見ていた。 私に気づくとコンビニに行くよう言われ、パンや飲み物・お菓子に雑誌を頼まれ坂道を下り歩いて10分のコンビニに行った。 『買ってきました』 『あっそう』 そこに置いとけ、という手振りで私は布団横に置いた。 『お金私が払ったんですけど、もらえますか?』 『ないわよ、あげるお金なんてない』 そんなぁ、けど修羅場での事を思うと何も言えない。 洗濯をし台所の洗い物をやり洗濯物を干す。明日の資源ごみ用に、聞いて→衣服や段ボール・空き缶・瓶等をまとめていく。 食べ散らかしたごみがまた出ていて泣きたくなった。 働くって何なんだろう。 長い1日も終わり、バスを乗り継ぎ歩いていると1台の車が停まった。 松本さん? 違った… 『吉井さん学校休み?どうしたんですか?』 菊地さんの好意で乗せてもらった、足がダルくて正直嬉しい。 スーツは着てても菊地さんってホンワカしたイメージなんでなんだかかわいい。私服の理由を説明すると、『朝・夕送って行きましょうか?』 って親切なんだね。 『松本さんは最近吉井さんとツーショットじゃないみたいだけど?』 ドキッ…不意討ちだよぅ…『松本さんも忙しいから』メールも電話もないからわからないけど。 『僕、朝時々松本さんと出勤時間重なるんですよ。今朝はボサボサ頭で慌てて出勤してましたけど、前にもそんな松本さん一時期ありましたね。たしか5月のゴールデン・ウィーク過ぎ…うどん巡りして帰ってきたら松本さん荒れてましたから』 『そうだったんですか』 『松本さんのお泊まりの朝の事、誰にも喋ってませんから』 『菊地さん…』 『喧嘩したんですか?松本さんは包容力があるから、喧嘩もないでしょう。吉井さんを見る目が違いますから』 『そんな…私は…』 嫌いだって言われたもん。『深い事情って感じですか、難しいですね』 私はただただ頷いた。 あっという間に家に着き、お母さんにプリンを3つもらって菊地さんにあげた。『お礼です』 『明日7時に出るから乗せて行きますよ』 1度断るけど通り道だから、って甘える事にした。 ありがとう!菊地さん。
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