1人が本棚に入れています
本棚に追加
8時前に着きチャイムを鳴らすと『開いてる』と怒鳴られた。
指定されたごみ収集場所に2日で仕分けた大量のごみを1人で運ぶ。
『明日は雑誌に衣類や資源ごみかぁ…明日も6時起きになるよね…』
部屋に戻るとあの女の人は布団から出ないままテレビを見ていた。
私に気づくとコンビニに行くよう言われ、パンや飲み物・お菓子に雑誌を頼まれ坂道を下り歩いて10分のコンビニに行った。
『買ってきました』
『あっそう』
そこに置いとけ、という手振りで私は布団横に置いた。
『お金私が払ったんですけど、もらえますか?』
『ないわよ、あげるお金なんてない』
そんなぁ、けど修羅場での事を思うと何も言えない。
洗濯をし台所の洗い物をやり洗濯物を干す。明日の資源ごみ用に、聞いて→衣服や段ボール・空き缶・瓶等をまとめていく。
食べ散らかしたごみがまた出ていて泣きたくなった。
働くって何なんだろう。
長い1日も終わり、バスを乗り継ぎ歩いていると1台の車が停まった。
松本さん?
違った…
『吉井さん学校休み?どうしたんですか?』
菊地さんの好意で乗せてもらった、足がダルくて正直嬉しい。
スーツは着てても菊地さんってホンワカしたイメージなんでなんだかかわいい。私服の理由を説明すると、『朝・夕送って行きましょうか?』
って親切なんだね。
『松本さんは最近吉井さんとツーショットじゃないみたいだけど?』
ドキッ…不意討ちだよぅ…『松本さんも忙しいから』メールも電話もないからわからないけど。
『僕、朝時々松本さんと出勤時間重なるんですよ。今朝はボサボサ頭で慌てて出勤してましたけど、前にもそんな松本さん一時期ありましたね。たしか5月のゴールデン・ウィーク過ぎ…うどん巡りして帰ってきたら松本さん荒れてましたから』
『そうだったんですか』
『松本さんのお泊まりの朝の事、誰にも喋ってませんから』
『菊地さん…』
『喧嘩したんですか?松本さんは包容力があるから、喧嘩もないでしょう。吉井さんを見る目が違いますから』
『そんな…私は…』
嫌いだって言われたもん。『深い事情って感じですか、難しいですね』
私はただただ頷いた。
あっという間に家に着き、お母さんにプリンを3つもらって菊地さんにあげた。『お礼です』
『明日7時に出るから乗せて行きますよ』
1度断るけど通り道だから、って甘える事にした。
ありがとう!菊地さん。
最初のコメントを投稿しよう!