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そこは見覚えのある場所だった。
小学校。
そう俺の、否、俺達の卒業した小学校の正門の前。
昼でもなく、夜でもない。
只どんよりとしたグレーを背景に学校が建っている。
人のいる気配は無い……否、待てよ。
俺の真後ろ。
そこに突き刺すような視線を感じゆっくりと振り返る。
否……振り返ろうとした瞬間に首に痛みが走った。
そこから吹き出した血が噴水のように宙を舞う。
こうして俺は、夢を夢と認識する間もなく、黒い少女の姿を見ることすら無く、一回……死んだ。
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