第1章

12/13
前へ
/14ページ
次へ
祟りで呪いだ。なのにジュエリー、宝石や化粧で着飾っておかないと不安でたまらなくなる。外じばかり気にして、自分の内面をさらけ出せない、自分はこういう人間なんだ。こう思ってるんだ。 だから、バカな少年にはことさらイラついた。自分がこんなに頑張っているのに、こいつは何も気にせずに自分をさらけ出している。だから言ってしまった。 「ヘラヘラ笑って気持ち悪い。頭が空っぽ何じゃなくて、心が空っぽなんじゃないの?」 特にその言葉に意味はなかった。ただ、少年を見ているとどこか嘘臭く感じた。 少年は一瞬、ギョッと驚いた表情を見せた後、わざとらしい愛想笑いを浮かべて、 「そういうあんただって天才だなんて言われて天狗になってるかもしれないけれどさ、そんなの自意識過剰なだけだし」 ブチッと少年の言葉に少女の中の何かが切れる。好きで天才だなんて言われていない。 「そういうあんたこそ、いつもバカなことばっかりして構ってほしいだろうけれど、そんなの誰も気にしてないわよ」 ブチッと少女の言葉に少年の中の何かが切れる。好きでバカを演じてるわけじゃない。 片方は満たされないことに飢えていて、片方は満たされたことに苦しくて、正反対なように見えて、以外とそっくりでだからお互いに気にしている部分がよくわかってしまうが、彼らは幼くて子供だった。要領よく言葉の話し合いで決着とはいかなかくて、ぶつけ合わせたのは拳だった。 理由は簡単だった。相手が気に入らないからぶん殴ったそれだけ、いくら話してもどうせ分かり合えないことがわかっていたし、もう、この天才女ムカつく、このバカ野郎ムカつくと難しく考えずに目の前の相手をぶっ潰してやろうとした。 初めて喧嘩していらい、お互いに意識することが多くなった。少年は少女に勉強でかなわないから、運動で、少女は少年に運動で負けそうになったから努力して、強く強く意識しているうちに内面に抱えていることがとても馬鹿らしいくなっていた。 白鳥しりとりは生徒会室で、雑務をこなしながら一人、しりとりを続けていた。しりとりは少年が少女に初めて勝てたゲームだ。それ以来、こんなバカは制約を続けている。自分は天才だから、あのバカにこれくらいのハンデくらいしてやってもいいと負け惜しみにも似た制約、あのバカに勝ち続けると決めた自分への戒めに少年は、 『じゃあ、いつかしりとりが解けないような謎を持ってくるよ
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加