第1話 婚姻初夜

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「赤子は母親の腹の中で、母親の心臓の音を聞いているそうだ ゆえに、心臓の音は人を落ち着かせるそうだ…」 「――信長様、 わたしは胎児のように幼くはございませぬ!」 「怒るな、濃姫… 誰もが落ち着くという意味だ 人は誰も昔は胎児であったのだろう…」 優しい声色だった 知らぬ国に嫁がされたわたしをいたわってくれる夫… ほっとしたのだと思う 気付くと眠気が襲ってきた… 昨夜も尾張に着いたばかりで眠れなかった… ようやく、眠りにつけるみたい…
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